1998-10-14 ArtNo.16878
◆<星>地場銀行の域内不良貸付S$59億:第2蔵相
【シンガポール】最も深刻な通貨危機に見舞われた域内5ヶ国--マレーシア、インドネシア、タイ、韓国、フィリピン--に対するシンガポールの地場銀行6行の不良貸付(NPL)は今年8月末現在、59億Sドルと、これらの諸国に対する総貸付残高の17%に達した。
リム・フンキアン第2蔵相が12日、外遊中のリー・シエンロン副首相に代わって国会に報告したところによれば、これらの地域のNPLレートは今後一層拡大する見通しだが、依然として総貸付残高の2.7%にとどまっており、地元銀行の経営に影響を及ぼす恐れはない。地元6行の5ヶ国に対するエクスポージャーは373億Sドルで、貸付全体の15%に相当する。
地場6行の8月末時点のNPLは貸付総額の6.1%を占め、今年初の2.5%から2倍以上に拡大した。地場6行は今年上半期にNPLに対して合計12億Sドルを引き当てており、引き当ての額は下半期には2倍に拡大する見通しだ。
アナリストによると、今年6月末時点のNPLレートは、UOB(大華銀行)が最低の3.5%、DBSバンクが最高の6.2%だったが、今年末までには6.2%~15%の水準に達する見通しだ。しかし各行の強力な資本金ベースに比してNPLは依然として比較的小規模にとどまっていると言う。
リム氏によると、シンガポール金融管理局(MAS)は4半期ごとに銀行界のNPLレベルを公表すると言う。(BT:10/13)
|