1998-10-12 ArtNo.16852
◆<馬>政府、M$105億公債発行し、レノン社の負債を弁済
【クアラルンプル】与党統一マレー国民組織(UMNO)をバックとする複合企業レノンBhdは9日、その莫大な債務を弁済するために政府に105億Mドルの長期公債の発行を求める異例なリストラ計画を発表した。
それによると、105億Mドルのゼロ・クーポン債の内60億Mドルはレノンとその子会社ユナイテッド・エンジニアーズ(M)Bhdの債務弁済に、残りの45億Mドルは非レノングループの2社、マラヤ鉄道KTM Bhd(M$3億)及びクアラルンプル市内軽便鉄道会社システム・トランジット・アリラン・リガンSdn Bhd(STAR:M$22億)そしてレノン傘下のプロジェクト・ウサハサマ・トランジット・リガン・オートマティック(PUTRA:M$20億)の債務の返済に、充当される。
このため大蔵省は100%所有のインフラストラクチャー・デベロプメント・コープ(IDC)を新設し、先ずKTM Bhd/STAR/Putraの債権者に対して45億Mドルの債券を発行する。
IDCはさらにアセット・マネージメント・コーポレーション(AMC)に対して60億Mドルの債券を発行、AMCはこれによりUEMの25億Mドルの負債とレノンの58億
Mドルの負債を引き受ける。
これに伴いUEMは100%子会社で南北ハイウェーの開発業者プロジェクト・ルブラヤ・ウタラ・スラタン(PLUS)の全持分をIDCに担保として提出する。IDCはPLUSからの2007年以降の税収により45億Mドルを先ず償還、またPLUSの営業収入(PLUS自身の商業債務返済分を差し引いた額)によりのこりの60億Mドルも償還する。仮にPLUSの支払いが滞った際には、政府はPLUSを接収することになる。
これに伴いUEMは政府と、南北ハイウェー経営期間の延長と通行料の引き上げ問題を協議している。
マレーシアとシンガポール間の第2リンク(大橋)開発業者で、やはりUEMの100%子会社のリンクドゥア(M)Bhdは、別に8億2400万Mドルの債務をUEM傘下の特別機関(SPV)により発行された社債に転換する。UEM-SPVの同社債はPLUSの社債により償還され、このため政府はPLUSからの予想税収の内8億2400万Mドル分を当面免除するが、同額はは追ってリンクドゥアから回収する。
同リストラ計画を立案したクレジット・スイス・ファースト・ボストンはこの日の記者会見の席上、レノンは、PLUSを売却する代わりに、PLUSの将来の売上とタックス・レシートを通じて債務を返済する方針を決めたが、これは選択の余地がなかったと説明した。それによると、現在の市況では、PLUS権益を売却しても十分な資金を調達することは不可能で、政府も戦略的な重要インフラを安値で外国投資家に売り渡すことは許可しなかった。これに対して上記の計画は既に政府の原則的認可を得、主要債権者にも同案は提出されている。債権者側から計画に反対の意見が提起される可能性は少ないと言う。(NST,STAR,ST,BT,LZ:10/10)
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