1998-10-12 ArtNo.16849
◆<星>台湾系音響機器製造会社イーストテックに上場認可
【シンガポール】音響機器の設計/製造を手がけるイースタン・アジア・テクノロジーPte Ltd(イーストテック)はシンガポール証取(SES)からメインボード上場を原則的に認可された。
イーストテックのLiou Jeng Lin会長によると、増資後の25%に相当する新株発行により1500万~2000万Sドルを調達、一部は中国/マレーシアにおける事業拡張のために過去3年間に取り入れた銀行債務の返済に、残りは新市場の開拓に当てる。
イーストテックは既に米国、台湾、東南アジア、日本、香港に足場を築いており、残された市場、取り分け欧州と中国市場の開拓を狙っている。中国には既に3工場を有するが南部に集中している。この他、マレーシア、ロスアンゼルス、台湾に5工場を有する。シンガポールでは、ノースブリッジ・ロードにショールームを1つ設けているだけだが、SES上場後に台湾から財務部門を徐々にシンガポールに移す。
イーストテックはリュー一族により1972年に台湾に設立され、当初はスピーカー・システムの木製ボックスの製造を手がけたが、その後フィリップス、JBL、Harman/Kardon、サンヨー、トムソンの相手先商標製造(OEM)/オリジナル・デザイン・マニュファクチャー(ODM)を手がけるようになった。同社の営業額に占める各社のシェアはフィリップス21.3%、Harman21.1%、サンヨー10.7%で、常連顧客が全体の89%を占める。
昨年の営業額は1億1140万米ドル、税引き前利益は770万米ドルと、いずれも1993年以来、2倍以上に拡大した。同社の製品は主にホーム・シアター、マルチメディア・コンピューター等に付属するもので、従来のハイファイやラジオ・セットに付属するものではない。米国市場ではホーム・シアター製品のセールスは1996年以来2倍以上に拡大、それに比して伝統的音響機器の伸びは極めて遅い。
米国と台湾にそれぞれデザイン・デベロプメント・ラボを有する同社は、これらを利用して非オーディオ市場への進出も目指していると言う。(BT:10/10)
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