1998-10-08 ArtNo.16811
◆<馬>副首相人選はUMNO役員選挙後に決定:首相
【クアラルンプル】マハティール首相は、与党統一マレー国民組織(UMNO)の次期役員選挙後まで、副首相の任命を延期する方針を決めた。
マハティール首相は6日催されたUMNO最高評議会の終了後記者会見し、会議で同問題は取り上げられたものの、具体的人選問題は話し合われなかったと語った。それによると副首相の人選は首相の権限に属し、UMNO最高評議会の職権外の問題である。
また会議では、党副総裁を指名する必要もないとの点で合意を見た。これは党副総裁補のアブドラ・バダウィ外相とナジブ・トゥン・ラザ教育相が、必要なら副総裁の役割を果たすことができるためで、またマハティール首相が海外に旅行する際には、首相は閣僚の誰にでも特定の役割を委ねることができると言う。
記者から、「誰を副首相に指名するか、心づもりはあるのか」と問われた首相は、「全くない」と回答した。
人権問題を巡りクリントン米国大統領に伝達すべきメッセージはないかとの問いに首相は、「我々は彼に何の負い目もない」と述べ、さらに以下のようなコメントを行った。
もし疑問があれば、公開の場で発言する前に、マレーシアの駐在代表に一体何が起こっているのか、質問するのが礼儀である。
最近、クリントン大統領からスーダンとアフガニスタンに対するミサイル発射に支持を求める書簡を受け取ったが、農薬工場で神経ガスやその他の化学兵器が製造された証拠はなく、マレーシアが米国を支持する謂われはない。こうした行為こそ人権侵犯であり、また第3国の上空を通過してミサイルを発射するのも問題がある。ミサイルが誤って第3国に落下するリスクは小さくないと言う。
この日の会議では、アンワル前副首相のいわゆる改革運動に荷担した幹部10人の党籍剥奪が決まった。しかし約90支部がアンワル氏から活動資金を受け取っていたと言う問題はそれ以上追及せぬ方針が決まった。UMNO規律委員会の共同議長を務めるナジブ教育相によると、同問題を取り上げたモハマド・ラマ情報相も十分な証拠を手に入れていないと言う。(STAR,BT:10/7)
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