1998-10-05 ArtNo.16756
◆セイコーエプソン、<星>をIT製品のロジスティクス・ハブに
【長野】セイコーエプソンは情報技術(IT)製品に関わるロジスティクス/生産/工学業務をシンガポールに集中する方針だ。このためトゥアスの生産/工学施設は今年末乃至来年初に東南アジア/南アジアの14ヶ国をカバーする新組織に再編され、世界市場向けスキャナーの製造業務もシンガポールに集中される。スキャナー関連の研究開発(R&D)業務は目下長野県諏訪市の本社で手がけられているが、これもシンガポールに移転する可能性が研究されている。
エプソン・シンガポールPte Ltd(ESP)のヨシエ・マサヒコ重役(MD)によると、シンガポール・エプソン・インダストリアルPte Ltd(SEP)と命名されたトゥアス工場は昨年10月に7000万Sドルを追加投資して拡張工事が施され、最近はハイエンド・カラー・インクジェット・プリンター、Stylus Color 1520の世界市場向け生産も開始された。
エプソンはこれまでにシンガポール、マレーシア、インドネシアに合計1億5000万Sドル以上を投資してきた。ジョホール・バルとバタム島の2工場はSEPの完全子会社となっている。
セイコーエプソンのイリエ・アキオ重役(VP)によると、日本/中国を除くアジア売上は目下のところ同社営業額の10%以下だが、その潜在性は大きく、同社はシンガポール・オフィスの役割を拡大している。トゥアス工場の年商は11億Sドル。スタッフは1400人だが、マレーシア/インドネシアの子会社も含めると4000人に達する。ジャカルタ近郊には別に4000人を雇用する工場が存在し、政情不安にも関わらず、正常な操業を続けている。
SEPのイトー・ヤスアキ重役(MD)によると、トゥアス工場では月間500万ユニットの集積回路(IC)のパッケジング、セイコー腕時計用精密スタンピングも手がけられ、最近はプリント基板(PCB)用ボール・グリッド・アレイの生産も開始された。ジュロン工場では工業用ロボットと時計が製造されている。
域内マーケッティングを担当している雇用数140人のESPは、マーケッティング業務の拡張を計画、インターネットを通じたオンライン化も準備していると言う。(BT:10/3)
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