SEAnews 1998-10-03 ArtNo.16750

【シンガポール】国連のアナン事務総長、世界銀行のジェームズ・ウォルフェンソン総裁、米国のロバート・ルビン財務長官は2日、それぞれマレーシアのアンワル前副首相に対するマレーシア当局の措置に遺憾の意を表明した。
国連のアナン事務総長スポークスマンは第53回国連総会の席上、マレーシアのアブドラ・バダウィ外相に、アンワル氏に法規に基づく正当な待遇を保証するよう求めるアナン事務総長の意向を伝えた。
世銀のウォルフェンソン総裁は記者会見の席上、アンワル氏は世銀開発委員会の議長も務めた自分の友人であると述べる一方、「殴打され片目を隈取らせたアンワル氏の写真を目にして、不安を抱かざるを得ない。アンワル氏に対する公正な待遇が保証されるように全世界がアンワル氏の境遇に注目するよう望む」と語った。
またルビン財務長官は、「アンワル氏は信望を得た国際金融界のメンバーの1人であり、各方面の事業に偉大な貢献を果たしている。自分はマレーシア政界の事情には不案内だが、アンワル氏の身辺に生じた事件や拘留中に受けた待遇に大きな不安を抱いている」と語った。
一方、1日、アンワル氏に対するマレーシア当局の待遇に抗議し、アジア太平洋経済協力会議(APEC)クアラルンプル・サミットをボイコットする可能性を示唆したフィリピンのエストラダ大統領は、2日には、前言を改めＫＬ会議に出席する方針を表明するとともに、拘留中のアンワル氏を見舞う可能性を示唆した。しかし同氏は、これもマレーシア当局が認めた場合の話であると付言した。
一方、インドネシアのアクバル・タジュディン国務相は1日大統領府で記者会見し、アンワル氏に対するマレーシア当局の待遇に遺憾の意を表明するとともに、ハビビ大統領は多忙のためＫＬにおけるＡＰＥＣサミットを欠席する可能性があると語った。(ST,BT,LZ:10/2,3)