1998-10-01 ArtNo.16714
◆<馬>各界、警察のアンワル氏に対する暴行に抗議
【クアラルンプル】マレーシア法律家協会、人権グループ“人民の声”、野党民主行動党(DAP)、人民党は水曜(9/30)、それぞれアンワル前副首相が拘留中に取調官により暴行を受けたことに抗議する声明を発表した。
また米国国務省スポークスマンは火曜(9/29)、アンワル前副首相が警察当局の暴行を受けたとの報道に強い懸念を表明、クアラルンプル駐在大使に米国政府の同事件に対する関心をマレーシア政府に伝えるよう指示する方針を明らかにした。
オーストラリア放送のインタビューに応じたジョン・ホワード豪州首相は水曜(9/30)、アンワル氏殴打事件に強い関心を表明、マレーシアが益々独裁化の傾向を見せていることや、政府の紛争解決の手段に懸念を抱かざるを得ないと語った。
こうした中でマハティール首相は昨日記者会見し、アンワル氏が自分で身体に傷をつけたか、警察官を故意に挑発し、暴行を振るわせた可能性も否定できないと指摘した。それによるとアンワル氏は警察から暴行を受け、負傷することにより、同情を引くことができる。これまで野党DAPのリム・キッシャン書記長やアンワル氏自身も治安維持法の下に拘留されたが、こうした暴行事件は一度も発生しなかった。いずれにしてもマレーシア政府は警察が法規を超えた行動を採ることを認めるものではなく、徹底的な調査を行う。また同調査には政治部以外の警察官を担当させ、調査の公正を確保すると言う。
これに対してアンワル夫人は、首相の発言は信じがたいもので、首相の独裁を改めて証明したと、強い不満を表明した。(ST,BT,LZ:10/1)
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