1998-09-30 ArtNo.16707
◆<印度>MarutiのZenディーゼル・バージョンは不発?
【ムンバイ】Maruti Udyog Ltd(MUL)が最近市場に投入したZenのディーゼル・バージョンは何ら反響を呼ぶことなく、不発に終わった感がある。
正確な数字は明らかでないが、発売されて以来1カ月間の販売台数は300台前後で、ディーラー筋は53万ルピーのプライス・タグでは、何ら希望はもてないとしている。
しかしMUL筋は見たところそれほど懸念していないようだ。想像するに、その理由はMULの関心事はガソリン車で、市場がどのように変化しようと、その基本戦略は変更しないように見える。実際、Zenのガソリン車は月間7000台前後販売され、好調を維持している。これまでの例でも、ガソリン・バージョンに続いてディーゼル・バージョンを発売した場合、いずれもガソリン・バージョンの売れ行きが急減しており、MULはむしろこうした二の舞を踏むことを恐れているものと見られる。MULは、ディーゼル・バージョンの売れ行きが悪ければ、生産をカットするまでと考えている節も見える。
MULにとってより深刻な問題はHyundai Santroの発売で、Zenガソリン・バージョンが脅威に晒されていること。そればかりでなく今後Daewoo MatizやTata Indicaが登場すれば、Maruti800も安閑としていられなくなる。Santroの競争力ある価格の脅威もさることながら、Tata Indicaに対する市場の期待は大きく、大きな反響を呼ぶものと予想される。
その際にはMaruti800及びZenの価格戦略やディーゼル・エンジンを本格的導入する可能性を真剣に検討する必要があるものと見られる。アナリストらはジプシー、エスティームへのTUD5エンジン搭載はメリットが有ると見ており、Zenに加えジプシー、エスティームもディーゼル・バージョンを売り出すなら、プジョー・シトロエンの年間1万ユニットのTUD5エンジン供給枠も十分こなせるものと見られる。(IE:9/29)
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