1998-09-30 ArtNo.16699
◆<馬>アンワル氏罪状否認、義弟/スピーチ・ライターも控訴
【クアラルンプル】アンワル前副首相は29日、5件の汚職と4件の異常性行為の罪で起訴されたが、全面的にこれらの罪状を否認した上、拘置中に取調官から受けた暴行について訴え、医師による治療を請求、眼科医の診断を受けることを認められた。
一方、アンワル氏との異常性行為を認め、これ以前にそれぞれ禁固6カ月の判決を受けていたアンワル氏の異母弟とスピーチ・ライターはこの日、揃って罪状を否認、高裁に上訴手続きを採った。もし両者の上訴が認められるなら、アンワル氏に対する4件の異常性行為の罪状は成立しなくなる。これら4件の最高刑は各懲役20年と鞭打ち。
この他の5件容疑の1つは、副首相兼蔵相の地位を利用して、私設秘書に対する汚職調査局の捜査を妨害したこと、他の4つはその政治的地位を利用してアンワル氏との関係が噂された複数の女性からこうした事実を否定する誓書をとったことで、これらの有罪が決まれば、各最高14年の禁固、もしくは2万Mドルの罰金が科される。
検察側は警察の捜査の結果、9件の罪状を立証する十分な証拠を得たとしている。
一方、アンワル氏がその弁護士に語ったところによると、今月20日に自宅で逮捕された直後、手錠と目隠しをされた状態で、意識を失うまで暴行を加えられ、3日間にわたり漆黒の独房に放置された。その後、立つことも歩行することも困難になり、左目はハッキリ物を見ることができなくなったが、全く治療を受けられなかったと言う。
この日ジャヤ・ヒルトンで記者会見したアンワル夫人は、アンワル氏の左目に恒久的障害の恐れはないとの眼科医の診断結果を明らかにするとともに、内相を兼ねるマハティール首相に対して、夫が拘置中に受けた暴行に関して釈明を求めた。
これに対して警察当局は、アンワル氏が拘留中に受けた暴行事件を調査する特別チームを設けたとの声明を発表した。(ST,BT,LZ:9/30)
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