1998-09-29 ArtNo.16690
◆ <印度>イスパットのバーレーン海綿鉄事業、資金難で停頓
【ムンバイ】イスパット・グループのPramod Mittal副会長がバーレーンで計画した年産120万トン、総コスト2億9000万米ドルの海綿鉄製造事業は、計画が発表されて既に2年以上になるが、着工の目処が立たないようだ。
イスパット・グループの旗艦、イスパット・インダストリーズとバーレーン政府の合弁で進められる同プロジェクトは湾岸諸国では最大の海綿鉄プロジェクトとされるが、国際鉄鋼価格の急落、東アジア、ロシア、CIS諸国からの安価な製品の流入に加え、湾岸諸国の海綿鉄需要も下降したことから、金融機関が融資を拒絶したとされる。
イスパット・グループはバーレーンのSouth Hidd地区に54haの土地を確保、バーレーン・ナショナル・ガスとガス供給契約も結んだものの、ミタル一族は現地に代表事務所を設けたのみで、プロジェクトは事実上無期延期の状態にある。
イスパット・グループは1990年代初めに長兄のLaxmi Mittal氏が国際スチール・ビジネスを担当、これに対してPramod氏と末弟のVinay氏は鉄鋼/発電/テレコム/繊維/石油精製/インフラ事業等から成る国内事業を引き受けた。
バーレーン海綿鉄プロジェクトは、Pramod氏が初めてインド国境を越えて海外雄飛を目指す記念碑的事業になるはずだった。
一方、Laxmi氏は今や1800万トンの年産能力を有する世界第3位のスチール・グループを率いているが、実際のところ国際舞台で日の出の勢いを見せたLaxmi氏も、鉄鋼価格の急落で資金調達難に陥っていると言われる。(IE:9/28)
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