1998-09-28 ArtNo.16670
◆<馬>首相、諸外国の経済制裁を懸念
【クアラルンプル】政府が採用した激震措置は奏功し、マレーシア経済は回復の軌道に乗ろうとしているが、マレーシアの成功を望まぬ外国勢力はアンワル前副首相の解任問題を利用してマレーシアに対する経済制裁を準備している。
マハティール首相は26日自宅で記者会見し、以上の懸念を表明した。それによると、世界銀行のエコノミストJoseph Stiglit主任は最近ストレーツ・タイムズのインタビューに応じ、マレーシア政府の措置により投資家は、アパルトヘイトを実行した南アフリカに対して採ったのと同じ観望姿勢を採る可能性があり、ワールド・コミュニティーは一層断固たる措置を採る可能性もあると語った。
マハティール首相によると、外国勢力は当面アンワル事件を口実にするだろうが、真の目的はマレーシアの努力、取り分け通貨統制やシンガポールの店頭市場CLOBに対する措置を、失敗させることにある。
マレーシア政府が今月初に採用した経済措置は既に顕著な成果を見せているが、外国勢力はマレーシアがその他の国々のモデルになるのを恐れている。
ヘッジ・ファンドが国内経済を崩壊させたと言うマレーシアの主張を批判した国々も今やその姿勢を変化させている。マレーシアが昨年こうした主張を行った際には、世界の趨勢に逆行するもの、経済に無知な発言と批判された。しかし26日付けファイナンシャル・タイムズは“ヘッジ・ファンドの教訓”と題して米国のロング・ターム・キャピタル・マネージメント(LTCM)がヘッジ・ファンドにより破綻を招いた事実を紹介している。
LTCMは800億米ドルにのぼるヘッジ取引を手がけてきたが、ロシアのルーブルの切り下げで莫大な焦げ付きを出し、米国連邦準備銀行が目下各行に35億米ドルを拠出し、LTCMを救済するようを求めている。同額は決して十分ではなく、LTCMは依然倒産の危機に瀕している。LTCMが破綻すれば、他行にも飛び火する見通しだが、米国政府は恐らくこれらの銀行を救済するものと見られる。
諸外国は米国政府がLTCMを救済するのは認めるが、マレーシアが同じことをすれば、閨閥、腐敗の証拠と非難する。これらのものはアジアに属するマレーシアには、あるいはマレーを基盤とした政府には合理性などあるはずがないと考えているものと見られる。(STAR,ST,LZ:9/27)
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