1998-09-26 ArtNo.16656
◆<馬>前警察長官、アンワル氏の副首相就任以前に奇行報告
【クアラルンプル】マハティール首相はアンワル氏が副首相に就任する以前に警察長官からホモセクシュアルに関する報告を受けており、アンワル氏の奇異な行状は薄々知りながら後継者に指名したものと見られる。
トゥン・ハニフ・オマル前警察長官がこのほど明らかにしたところによれば、同氏は既に1993年にマハティール首相に、アンワル氏に同性愛の性癖があることを報告したが、首相は全く取り合わなかった。
その後アンワル氏は、ハニフ氏にポイズン・レターの標的にされることに対する懸念を表明、ハニフ氏は自分の部下はその種の秘密を漏らす恐れはないと述べる一方、友人としてアンワル氏に、行状を慎むよう忠告したと言う。
マハティール首相は、昨年5月には、2カ月におよぶ外遊をしており、その後引退してアンワル氏に首相のポストを譲る計画だったと首相自身が語っている。
しかし首相の外遊直後に発生した通貨危機の処理で、両者の経済運営の決定的相違が明らかになり、首相はアンワル氏の更迭を決意したものと見られる。両者の対立は今年6月の与党統一マレー国民組織(UMNO)総会でザヒド・ハミディ青年部長が党内の金権/閨閥主義を批判した際にクライマックスに達した感が有ったが、アンワル氏はこの時点でもマハティール首相に対する支持を繰り返し表明していた。
首相は「アンワルが首相になれない50の理由」と題する書を巡る警察の調査の過程でアンワル氏の行状が明るみに出、解任を決意したとしているが、仮に同書が初めからアンワル氏の追い落としを目的に著されたとすれば、首相が当初から関係していたか否かは別にしてかなり以前から周到な準備がなされていたことになる。(ST,BT,LZ,STAR,NST,MBT:9/25)
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