1998-09-25 ArtNo.16633
◆<星>4大行、不良貸付拡大への対応能力十分:アナリスト
【シンガポール】シンガポール地場4大銀行の貸付残高に占める不良貸付(NPL)の比率は現在の2倍のレベルまでアップ、15%に達する可能性があるが、アナリストらは、強力な資本基盤に加え、好収益が持続する見通しのため、これらの銀行が支払不能に陥るリスクは小さいと見ている。
今年6月30日時点の4大行のNPLレシオはユナイテッド・オーバーシーズ・バンク(UOB)が最低の3.5%、DBSバンクが最高の6.2%となっており、同比率が15%に達する可能性も存在するが、好収益も持続する見通しのため、4銀行は赤字を出すことなく、引き当てを行う十分なゆとりを備えている。上半期に合計12億Sドルを引き当てた4行は、下半期にはさらに24億Sドルを上乗せする可能性があるが、通年の営業利益は依然として40億Sドルを超える見通しだ。
引き当て率はDBSの48%からUOBの73%に及び、DBSの引き当て率は、他の3行に比べ見劣りがするものの、貸出が抑制された上に、好収益が持続しているため、地場4大行の自己資本比率は却って高まっている。リスク加重総資産を基準にした4大行の平均自己資本比率は18.3%で、香港上海銀行は最近の報告書の中で、NPLレシオが20%に達する最悪のシナリオでも、地場4大行の株主資本が浸食を受ける恐れは大きくないとコメントしている。(BT:9/24)
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