1998-09-22 ArtNo.16585
◆<星>上級相、アジア金融危機の拡散に憂慮
【シンガポール】アジアを震源とする金融危機はロシアや中欧に波及、ブラジルやラテン・アメリカにも脅威を及ぼしつつあり、最後には米国や欧州連合(EU)も影響を受ける恐れがある。
リー・クアンユー上級相は20日、コンランッド・インタータンショナルで内外のマスコミ関係者300人ほどを前に講演、以上の懸念を表明した。それによると、米国は経済危機克服の面で指導的役割を担うことを望んでおらず、国際通貨基金(IMF)を通じた限定的な役割を担うことさえ消極的になっていると言う。
リー氏はまた、隣国マレーシアの状況に触れ、政治的緊張が社会的混乱を生じさせる恐れはないと保証した。それによるとこれはアンワル前副首相の影響力を低く評価したためではなく、マレーシアの経済基盤も統治機構も依然安定しているためと言う。リー氏は自分としては、解任されたアンワル前副首相よりも、長期にわたって育てた後継者を失ったマハティール首相に同情すると語った。
一方、インドネシアの状況は益々収拾困難になっているが、これは華人がこれまで掌握してきた流通経路が分断され、食料や物資の不足が深刻化したためで、飢餓に貧した国民は暴走し易くなっている。こうした状況はIMFにも解決することはできないが、何らかの対策が講じられないなら状況は益々悪化する恐れがあると言う。(ST,BT,LZ:9/21)
|
|