1998-09-21 ArtNo.16575
◆<馬>地裁、2人にアンワル氏との同性愛で有罪判決
【クアラルンプル】マレーシア地裁は19日、アンワル前首相のスピーチ・ライターも務めた回教哲学/生命倫理学著述家のMunawar Anees氏(51)とアンワル氏の異母弟Sukma Darmawan Sasmitaat Madja氏(37)に、アンワル氏と異常な性行為を行ったことを理由にそれぞれ禁固6カ月を判決した。
パンジャブ大学で動物学修士号を取得後、インディアナ大学で科学環境学博士コースを専攻したカラチ生まれのムナワル氏(既婚/一男一女)は 、1988年シカゴで就業中にアンワル当時教育相の招きに応じ、インスティテュート・テクノロジー・マラの講師とブリタ・パブリッシングの研究開発(R&D)顧問を引き受けるとともに、アンワル氏のスピーチ・ライターも務めるようになった。
1989年にアンワル氏から電話でドライブに誘われた際、異常な関係を求められたムナワル氏は、外国人の身でマレーシアにおけるポストを維持するため、やむなくアンワル氏の要求に応じ、その後もアンワル氏の公邸、自宅、乗用車において異常行為を続けてきたと言う。
一方、インドネシアの大家族(姉妹10人/兄弟1人)の家に生まれたスクマ氏(独身)は、マレーシアに出てきた当初アンワル氏の父親の自宅に寄宿したが、小さな家のためアンワル氏と1室をシェアすることになった。
アンワル氏が副首相に就任した際には、公邸内にスクマ氏専用の部屋が準備された。ブティックとインテリア・デザイン・オフィスを経営するスクマ氏は、マレーシアにおける公民権取得等の恩義もあるため、アンワル氏の父親の家に寄宿した当初から異常な関係を続けてきたと言う。
上記の判決が伝えられた後記者会見したアンワル氏は、法廷判決は同氏に対する政治的陰謀を裏付けるものであり、陰謀の張本人はマハティール首相自身であると宣言した。
それによると、上記の被告2人は脅迫され、罪状を認めたものと見られる。両被告の弁護士は被告の家族により雇用されたものではない。またアンワル氏の弁護士や父親がスクマ氏との面会を拒絶されたことからも、スクマ氏が拷問を受けたことが窺える。今やマレーシア警察はマハティール政権を維持するためにナチのゲシュタポやイスラエルのモサドと同様の役割を演じていると言う。(ST,LZ:9/20)
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