SEAnews 1998-09-21 ArtNo.16574

【クアラルンプル】アンワル前副首相は昨日午後クアラルンプル市内を数万人の支持者とデモ行進後、昨夜10時前後に自宅で逮捕された。
目撃者によると、午後9時頃ライフルと警棒で武装した約100人の警官隊がアンワル氏公邸を訪れ、アンワル氏に逮捕状を示し、1時間以内に身の回りのものを整理するよう指示した。その後アンワル氏は支持者の「改革」、「万歳」の声援を受ける中、警察の車でいずこかへ連行されたと言う。
アンワル氏はこの日クアラルンプル市内のムルデカ(独立)広場で集会を行う計画だったが、マレーシアを訪問中のエリザベス二世が付近の教会の祈祷会に出席することもあってムルデカ広場に通じる道路は警察により早くから封鎖されていた。このためアンワル氏は午後3時半頃、付近のモスクで支持者を前に演説、その後数万人の支持者とともにマハティール首相に辞職を要求するスローガンや改革の標語を掲げてムルデカ広場まで約1キロにわたって市内をデモ行進した。
デモ隊は午後6時前後バリケードを突破して広場に突入したが、アンワル氏は支持者の運転するモーターバイクに乗って混乱する広場から姿を消したと言う。
その後約2時間してアンワル氏公邸に隣接したマハティール首相の公邸を取り巻く群衆に対して警官隊が放水と催涙弾を投じたことから、一部のアンワル氏支持者がマハティール首相公邸に投石する小競り合いも発生したと言う。(ST,LZ:9/21)