1998-09-16 ArtNo.16510
◆<星>ウェスタン、一層の解雇/IBMとの合併の噂否定
【シンガポール】ディスク・ドライブ(HDD)メーカー、ウェスタン・デジタル(WD)のチャック・ハガティー重役(CEO)は14日、シンガポール及びマレーシアにおいて一層の解雇を行う可能性や、チャイチー工場とトゥアス工場の統合、あるいは最近技術協力契約を結んだIBMとの合併の噂を否定した。
このほどシンガポールを訪れたハガティー氏によると、市況底入れの兆しが生じており、ディストビューション・チャンネルの在庫は向こう4週間以内に、あるいは今四半期の終わりには、適正水準を回復する見通しだ。WDのディストリビューション・チャンネンルの在庫水準は現在4~5週間分で、業界平均では5~6週間だが、6カ月前には12週間分に達していた。とは言え完全な市況回復がいつになるかは、予測困難と言う。
WDは近く投入する予定の新製品に対する需要に応じるため、今四半期は410万ドライブの生産水準を維持、向こう2四半期には各10%の生産拡大を計画している。目下チャイチー、トゥアスの両工場の稼働率は80~85%で、生産を拡大するゆとりがある。同社はトゥアス工場でハイエンド・ドライブを、チャイチー工場とクアラルンプル工場でデスクトップ・ドライブを製造している。
HDD業界は過去15年来最も長期にわたるスランプに陥っており、スランプは既に15カ月に達している。こうした中でHDD業界もジャスト・イン・タイム(JIT)在庫管理システムを導入、このことが部品納入業界の保管/ロジスティクス・コストを高める結果を導いているが、ハガティー氏はこの点に関してJITの導入は不可避であり、最終的にはHDDメーカーも部品納入業者も生産効率を高めることができるはずと指摘した。同氏によるとHDD業界は既に12~9カ月前から同方式を導入、利益回復に成功しており、今や部品納入業者にも同方式の採用を求めていると言う。
WDは最近シンガポールにおける納入業者を削減、海外ではなお削減される可能性があるが、シンガポールではほぼ健全なレベルを実現したと言う。(BT:9/15)
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