1998-09-16 ArtNo.16509
◆<星>米系プリント基板契約製造会社、今年も売り上げ倍増予想
【シンガポール】米系契約製造会社マニュファクチャラーズ・サービシズ(MS)は今年はアジア売り上げを2億2000万米ドルに倍増させる計画で、またアジアにおける企業買収のターゲットを物色している。
創業以来4年目を迎えたMSの昨年の世界売り上げは5億6200万米ドルで、今年は8億米ドルが見込んまれる。IBM、Iomega、フィリップス、ロックウェル、エリクソン等を主要顧客とするMSは、プリント基板アセンブリー(PCBA)の製造の他、デザイン、工学的評価、ロジスティクス・サービスも手がけ、契約製造業者としての世界的ランクは8番目。シンガポールのナットスチール・エレクトロニクスやベンチャー・マニュファクチュアリングをライバルとしている。
シンガポールを拠点にMSのアジア・ビジネスを担当するジョニー・チャン社長によると、PCBA市況は低迷しているものの、アウトソーシングの潮流に乗り同社のビジネスは拡張を続けている。今年に入って以来のアジア売り上げは、米国、日本への輸出需要に支えられ、既に2億米ドルをマークした。同社は向こう3年間にトップ5入りし、ナスダック登録を目指している。
MSは、ネットワークやリソース不足で国際化の目標が達成し得ないような地元企業に支援を提供するとともに、これらの企業の設備や顧客ベースを利用、可能ならこの種の企業を買収する戦略を採用している。目下シンガポールやフィリピンで関係交渉が進められている。MSは全世界に8工場を擁し、内4工場はシンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピンに存在する。アジア・ビジネスに関しては依然として最良なタレントのプールを有するシンガポールにおける先行投資に力を入れている。ボリュームが一定規模を超え、コスト圧力が増すなら、域内の他の地域に工場を移転、顧客基盤も底辺に向け拡大するが、マージンは現在の8~10%の水準維持を目指す。
中国は無視できない市場だが、人民元の相対的な強化で、コスト競争力ではタイにかなわない。このため1999年末以降まで中国に進出する計画はないが、同社の顧客が続々中国に進出するようなら、同社も早期に中国入りすることになると言う。(BT:9/15)
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