1998-09-15 ArtNo.16493
◆<星>HDDメーカー、納入業者に保管/輸送コストの負担要求
【シンガポール】ディスク・ドライブ(HDD)メーカーは、マージン縮小に悩む部品納入業者にロジスティクス・コストや保管コストの負担を強いている。
HDDメーカーの動きは、デル等のPC(パソコン)メーカーがいわゆるBTO(ビルド・ツー・オーダー:注文を受けた後に初めて生産)方式を採用したのに触発されたもので、この種の方式は、BTO、ジャスト・イン・タイム、サプライ・チェーン・マネージメント等、様々な名称で呼ばれているが、結局のところは納入業者に保管や輸送コストを押しつけるものと言う。
例えばメーカーは原料や製品在庫をカットできるが、部品納入業者はいつ注文が来ても直ちに対応できるよう、それ自身の負担で在庫を確保して置かねばならない。加えてこれまでは1週間に1度納品すればよかったものが、今では2度に分けて納品せねばならず、これに伴う輸送コスト増は納入業者が負担せねばならい。
この他、一部のメーカーはこれまでFOBベースだった契約を、CIFベースに転換を要求しており、このことは保険料も部品納入業者が負担することを意味する。また欠陥や不良品の比率を引き下げるため、メーカーは納入業者にラボ・チェックを求めており、納入業者は独自のラボを設けるか、独立の検査会社に依託せねんばならない。
地元納入業者らは今年6月以来、この種のメーカー側からの圧力が急速に高まったとしている。米国ディスク・メディア・メーカーのHMTテクノロジーは、業界を通じたジャスト・イン・タイム在庫管理の風潮が同社の6月期四半期の業績不振の一因と指摘している。(BT:9/14)
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