1998-09-14 ArtNo.16485
◆<馬>アンワル氏、全国遊説開始
【クアラルンプル】アンワル前副首相は11日、1969年5・13人種暴動の震源地となったクアラルンプル市内の下層マレー労働者密集地Jamekのモスクに赴き祈祷後数千人の大衆を前に演説、全国遊説の口火を切った。
マレーの伝統的衣装にソンコを戴したアンワル氏はその後、スラゴール州バンギの著名なマレー著述家の自宅を訪れ、同地で周辺の大学の学生らを前に演説する予定だったが、同著述家の懇請を受け、演説を取り止めた。同地には既に2~3万人の群衆が待ち受けていたが、同著述家は当局の指示を受けたため、演説の場を提供することはできないと断ったと言う。アンワル氏には与党統一マレー国民組織(UMNO)のアハマド・ザヒド・ハミディ青年部長、ペナン州UMNOのアブドラ・ラーマン青年部長らが随行した。
アンワル氏は12日には故郷ペナンの父親の自宅で約1万人を前に演説、さらに夜にはマハティール首相の膝元クダ州に赴いた。同氏はその後南下してマラッカ州を訪れ、明日火曜には再度クアラルンプルで演説する予定だ。
アンワル氏側近によると、保守的回教徒の多い地区を重点に遊説する計画で、この種の回教徒らはマハティール首相に率いられる世俗化した回教徒の指導に不満を抱いていると言う。
一方、内相も兼ねるマハティール首相は、こうしたアンワル氏の動きに対して争乱が生じれば、取り締まるが、直ちにアンワル氏を逮捕する考えはないと語ったと言う。(ST,LZ:9/12,13)
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