1998-09-14 ArtNo.16477
◆<星>DelGro、大型損失に懲り不動産事業から撤退
【シンガポール】上半期に予想される不動産事業の損失に多額な引き当てを計上したシンガポール証取(SES)上場の持ち株会社DelGro Corporationは11日、内外の不動産事業から全面撤退する方針を発表した。
昨年8月にシンガポール・バス・サービス(SBS)から現社名に改め、新社名に象徴される運輸、不動産、エンジニアリングの3つの成長領域(デルタ/グロース)を中核とする持ち株会社として再出発したばかりのデルグロは、6月期上半期に1億7600万Sドルを帳簿抹消し、1億5150万Sドルの純損失を計上した。帳簿抹消の大部分、即ち1億5160万Sドルは、傘下のウォーターバンク・プロパティーズの手がける不動産開発事業で占められた。
デルグロのウォン・ハンキム会長は、市況低迷に鑑み、不動産部門における新規投資計画は全て凍結したとするとともに、「我々が今実行しているのはデッキを取り方付け、白紙に戻ってやり直すこと」、「運輸ビジネスは常に我々にとって重要部門であり、我々の競争力の発源地である」と指摘した。
グループはこれに先だって、不動産事業推進のためにリクルートしたチュア・スンティエン氏の辞任を発表していた。
デルグロは1年前には、「バス会社のイメージに祟られ、事業多角化にも関わらず、株価が低迷している」とし、こうした不利なイメージを払拭するために社名を変更すると説明していた。(ST,BT:9/12)
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