1998-09-11 ArtNo.16446
◆<星>店頭市場、再度混乱:KLSE、SESとの合意否定
【シンガポール】シンガポール中央預託機関(CDP)口座中のマレーシア株のマレーシア中央預託機関(MCD)への移転問題を巡り、クアラルンプル証取(KLSE)がシンガポール証取(SES)との間で如何なる合意にも達していないと声明を発表したことから、シンガポールの店頭市場CLOB(セントラル・リミット・オーダー・ブック)における取引が10日、再度混乱した。
マレーシア政府が劇的な通貨統制策を発表した後、CLOBにおける取引は3日間にわたり停止されていたが、SESは水曜、CLOBの取引を再開するとともに、マレーシア株のCDPからMCDへの移転に関してKLSEと合意に達したと発表していた。この日CLOBの株価は36%値上がりした。
しかし、マハティール首相は10日、「火曜にKLSEの株価が下降したのは、政策運用の誤りに基づくもので、シンガポールにおける取引を認めたのが原因である。このため我々はこれをストップした」との談話を発表、これを受ける形でKLSEの上記の声明が発表された。
証券業界筋によると、一部の投資家は、CLOBで急落した株を火曜にKLSEで処分し、キャピタル・ゲインを実現したと言う。
SESは、KLSEとの間で早急に関係問題を協議し、最善の解決策を見出すと投資家に保証したが、その一方で、SESがKLSEに書面で提案したアレンジは、今となっては許容できないものになったと付言している。(ST,LZ:9/11)
|