SEAnews 1998-09-09 ArtNo.16419

【東京】ＮＥＣは次世代移動体通信システムの1つに数えられるＷ－ＣＤＭＡ方式のベース・ステーション用ハードウェア／ソフトウェアの開発・設計を手がける新会社ＮＥＣモービル・コミュニケーションズ・デベロプメント・シンガポールPte Ltd(NEC-MCDS)を設立した。
ＮＥＣが7日発表したところによると、今年7月23日に発足、9月18日より営業を開始するＮＥＣの完全出資子会社、ＮＥＣ－ＭＣＤＳの払込資本は2億円、スタッフは当初の20人前後から2002年までに100人に増員される。
画像通信等のマルチメディア・サービスに対応した次世代広帯域システムは2001年のサービス開始を目指してアジア欧米等で標準化が進められており、ＮＴＴ移動通信網(株)(NTT DoCoMo)が中心に提案したＷ－ＣＤＭＡの共同開発メーカーを務めるＮＥＣも、無線インターフェースの技術検証や標準化の面で積極的役割を担ってきた。
今年に入って日本のＷ－ＣＤＭＡと欧州の次世代移動体通信システム規格ＵＭＴＳ(ﾕﾆﾊﾞｰｻﾙ･ﾓｰﾋﾞﾙ･ﾃﾚｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝｽﾞ･ｼｽﾃﾑ)の仕様統一が合意されたことから、ＮＥＣは今年3月30日に英国のＥＲＡテクノロジー社と合弁で、英国に新会社テレコムMODUS(ﾓﾀﾞｽ)Ltdを設立、ＵＭＴＳの研究にも本格的に取り組んでいる。
シンガポール子会社の設立はアジア／中国と言う巨大市場の開拓で優位に立つための布石で、ＮＥＣ－ＭＣＤＳは、日本国内そして英国のモダスと緊密な提携の下に、アジア、欧州、日本のニーズに応じた製品の開発を目指す。
ＮＥＣは2005年時のＷ－ＣＤＭＡビジネスの規模を5000億円(端末を除く)、内日本を除くアジア市場規模を1000億円と見込んでいると言う。(IE:9/8)