1998-09-08 ArtNo.16402
◆<星>スーパーコンピューティング・ラボ、民間との提携強化
【シンガポール】シンガポールのスーパーコンピューティング・リサーチ・ラボ“インスティテュート・オブ・ハイ・パフォーマンス・コンピューティング(IHPC)”は、民間業界とのタイアップを拡大、その研究開発(R&D)の成果を迅速に市場に投入する計画だ。
IHPCは今年4月1日にナショナル・スーパーコンピューティング・リサーチ・センター(NSRC)と国立シンガポール大学(NUS)傘下のセンター・フォー・コンピューテーショナル・メカニクス(CCM)が合併して発足、先週、ジョージ・ヨー情報芸術相兼第2通産相の立ち会いの下に、創業式典が催された。
IHPC所長(ディレクター)のラム・キンヨン助教授によると、IHPCの成功作品の1つ、3Dビジュア化装置“CAVE”は、360度のイメージを創出し、人々に仮想現実の体験を得させる。IHPCはシカゴの指導的3Dラボと提携、シンガポール電信局(TAS)と国家科学技術局(NSTB)が共同で設立したSingaren(シンガポール・インターネット・ネクスト・ジェネレーション・アドバーンスト・リサーチ・アンド・エデュケーション・ネットワーク)を利用して、シンガポールとシカゴのケーブをリンク・アップした。これにより両研究所はリアルタイムの協力態勢を組み、ケーブ技術を応用できる。
IHPCはまたSTシミュレーション・システムズと合弁で、バーチャル・シミュレーション・ラボラトリー(IVSL)を設立、ケーブの商業利用を促進する計画だ。この他、ファー・イースト・オーガニゼーションは開発予定のフラートン・ホテルのデザインにケーブを応用する。
IHPCはハードウェアだけでも既に3000万Sドル以上を投資しており、これらにはシリコン・グラフィックス・インク、クレイ・システムズ、IBM、サン・マイクロシステムズのトップ・エンド・システムが含まれる。
IHPCは研究員110人を擁し、モトローラ、ヒューレット・パッカード、シーメンス、フィリップス、マツシタ、クリエイティブ・テクノロジー、陸運局(LTA)、国防省等、50機関と提携している。
現在民間業界と10件の協力契約を結んでおり、これらは総収入に15%貢献する見通しだが、向こう2年間に民間業界の協力を18件に拡大、営業額に対する貢献も25%に高める方針だ。(ST:9/7)
|