SEAnews 1998-09-07 ArtNo.16389

【シンガポール】ディスク・ドライブ(HDD)製造のマクスターはシンガポール工場のスタッフを今年末までに300人増員する一方、今年末に予定されていた中国大連工場の稼働は来年末に繰り延べる方針だ。
目下全てのドライブをシンガポールで生産しているマクスターのマイケル・キャノン重役(CEO)が4日語ったところによれば、伝統的に需要が低迷する7月の稼働率は週5日を割り込んだが、今ではフル稼働している。同社は市場動向に迅速に対応、就業態勢に調整を加えているため、大規模な人員整理を回避している。また過去2年間にシンガポール工場の生産性は30％以上向上した。このため中国工場の稼働は1999年末まで不要になった。同社は1999年末までシンガポール工場だけで需要を賄うことに自信を抱いている。
マクスターは8月から2ヶ月間の新規雇用計画をスタート、9月末までに300人増員する計画で、シンガポールの従業員は4500人に拡大される。マクスターは最近の公募で3億3690万米ドルを調達、内2億米ドルを銀行借入の返済に当てる方針だ。これにより同社の財務基盤は大幅に強化されたが、慎重な経営方針は維持される。
過去6四半期ＨＤＤ価格は2桁の値下がりを続けているが、第4四半期にはＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)メーカーからの需要が急速に拡大しており、微かながら曙光が射している。メーカー・レベルでも、セールス・チャンネル・レベルでも在庫レベルが下降、このため業況不振もゆっくりとしたペースで回復に転じるものと期待されると言う。
市場調査会社トレンッド・フォーカスによれば、マクスターの市場シェアは第1四半期の10.2％から11.4％に拡大している。ＨＤＤメーカー・トップ5社の中でシェアを拡大したのは、同社を除けばＩＢＭのみと言う。(BT:9/5)