1998-09-07 ArtNo.16387
◆<星>SES、Clobにおけるマレーシア株取引停止宣言
【シンガポール】シンガポール証券取引所(SES)は4日、店頭市場(OTC)Clob(セントラル・リミット・オーダー・ブック)インターナショナルにおけるマレーシア株の取引を停止すると発表するとともに、SESは投資家のために、マレーシア中央預託機関(MCD)への登録のアレンジを引き受けると保証した。
クアラルンプル証取(KLSE)が先月31日に、Clobにおけるマレーシア銘柄の取引を認めないとの声明を発表した際、SESは依然として、「投資家が必要とする限りCLOBにおける取引を続ける」と強気な姿勢を表明していたが、その後4日間にわたり投げ売りのパニックが生じる中で、終にマレーシア株の取引が不可能になったことを認めた。
SESはその声明の中で「業界の意見も聴取した結果、シンガポール投資家のためにマレーシア株の取引の便宜を提供することは最早不可能になったとの結論に達した」と述べるとともに、「CLOBの取引は1週間後に再開されるが、マレーシア株112銘柄の取引は再開されない」としている。
SESは、投資家のために、シンガポール中央預託機関(CDP)口座中のマレーシア株のMCDへの移転をアレンジするとしているが、オブザーバーらは、最近のマレーシアのダイム・ザイヌディン総理府相(特別任務担当)の発言から見て、SESとクアラルンプル証取(KLSE)の交渉はそう簡単には妥結しないものと見ている。
ブルームバーグのインタビューに応じたダイム氏は、「我々は何度もClobを閉鎖するよう懇願したが、彼らは全く耳を傾けなかった。彼らは我々を白痴と思っているのだろう」と述べており、4日の記者会見の折りには「他人の不幸の上に居座ることは許されない」と強調した。マレーシアは長年にわたり、「CLOBはKLSEのビジネスを奪い、空売りにより、市場を混乱させている」と非難してきたが、シンガポール側は、「CLOBの存在はシンガポール投資家のマレーシア株に対する関心を高め、マレーシア株の流動性を増し、KLSEの株価を支え、総じてマレーシアの証券市場の成長に貢献している」と主張してきた。(BT,ST:9/5)
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