【ムンバイ】国内の供給過剰現象が、インド鉄鋼業界の製品値上げの試みに今後引き続き圧力をかけ続ける見通しだ。
Crisil Research and Information Services (Crisil)がまとめた、「東アジア通貨危機のインド鉄鋼産業への影響」と題する調査レポートによれば、裏返しの需要供給理論がアジアのスチール産業に陰影を投じている。
1996年に世界の鉄鉱需要の34%を占めたアジアの需要は今年は下降が見込まれ、回復は1999年以降になる見通しだ。少なからぬ鉄鋼プロジェクトが棚上げされたにも関わらず、供給が需要を上回り、アジアは鉄鋼製品の純輸出地域になるものと見られる。
このためインドの東アジア向け輸出見通しは極めて悲観的である。加えて他のアジア諸国通貨に比べルピーが強化、このことも国産鉄鋼製品の競争力を失わせている。特にルーブルの値下がりは、国産熱間圧延製品の前途を暗くしていると言う。(ET:9/4)