1998-09-02 ArtNo.16331
◆<馬>中央銀行、激震的資金管制発表
【クアラルンプル】マレーシアは1日、国内経済を通貨投機から防衛し、その復興を促すとの理由を掲げ、厳しい資金統制を導入する方針を発表した。
中央銀行がこの日発表したところによれば、これに伴いMドルの固定相場制が導入される。アナリストらは、1米ドル=3.50Mドル前後に固定されるものと予想している。
オフショア口座及び非居住者の銀行口座のMドル預金を外貨に転換する際は中央銀行の認可を得ねばならない。同規制は即日発効した。また10月1日より、オフショア口座間のMドルの移動も中央銀行の認可を得ねばならなくなる。
短期的投資、投機売買を抑制する狙いから、取得して1年に満たないマレーシア株を売却した代金は、1年間Mドルで保持されねばならない。
また輸出・入は全て外貨建てで決済されねばならず、マレーシア国民が1万Mドル以上を海外に投資する際も当局の認可を得ねばならない。
Mドルのオフショア預金口座(シンガポールにおけるMドル預金を含む)を有するマレーシア国民や外国人は1カ月以内に清算せねばならない。ちなみに海外Mドル預金は1億Mドル、オフショア口座は250億Mドルに達するものと見られる。
10月1日以降、マレーシアに入国あるいは出国する旅行者は1000Mドル以上を携帯することを認められない。外国人が外貨を持ち込むのは自由だが、持ち込んだ額以上の外貨を持ち出すことはできない。
500Mドルと1000Mドルの紙幣は市場から回収される。
以上の発表を受けて、この日、Mドル及びSドルの対米ドル相場は急騰、Mドルの終値は3.8900Mドルと7.3%アップ、Sドルのそれは1.7095Sドルと、3%上昇した。しかしながらクアラルンプル証取(KLSE)総合株価指数は13%以上、ストレート・タイムズ株価指数は4%と、1987年10月以来最大の急落を見た。(ST,BT,LZ:9/2)
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