1998-09-02 ArtNo.16326
◆<星>KLSE非承認に関わらずCLOB取引続行:SES
【シンガポール】クアラルンプル証取(KLSE)がシンガポールの店頭市場(OTC)Clobにおけるマレーシア銘柄の取引を認めない方針を正式に打ち出した月曜(8/31)、シンガポール証取(SES)は、投資家が必要とする限りCLOBにおける取引を続けるとの姿勢を確認した。
マハティール首相は最近、CLOBにおける取引はマレーシアの立場からすれば非合法と断じたが、KLSEは月曜、全てのマレーシア銘柄の取引はKLSEを通じて、もしくはKLSEが認める取引所を通じて取引されねばならず、KLSEはシンガポールのOTC市場を認めていないと声明した。
KLSEとSESが1989年に分離した際、マレーシア側は、マレーシア株がシンガポール市場から完全に撤収するまでの暫定的措置としてCLOBインターナショナルでの取引を認める姿勢を示したが、両国政府レベルの協議は妥結に至らなかった。そしてCLOBでの取引はその後益々盛んになり、マレーシア株のシンガポール市場からの撤退も行われなかった経緯がある。
マレーシアの国家経済行動委員会(NEAC)は数週間前に声明を発表、シンガポールにおける二次市場の急速な拡大に鑑み、CLOBは閉鎖すべきであるとの点でSESと合意に達していたはずと主張した。しかしSESは直ちに、1990年当時、SESのエディー・バカル当時会長とKLSEのニック・モハマド・ディン当時会長との間でやりとりされた書簡を公開、そのような合意がなされた事実を否定した。
ロイター社が報じるところによれば、証券会社筋は、マレーシア銘柄の取引は最近大幅に減少していたため、KLSEの新方針の影響は当面それほど大きくないと見ている。しかし長期的にはマレーシア銘柄のシンガポールにおける流動性は下降し、全体としてマレーシア株の出来高が縮小する見通しと言う。(ST,LZ:9/1)
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