1998-09-01 ArtNo.16313
◆<星>ノーテル、アジアのインターネット電話市場開拓に本腰
【シンガポール】カナダの通信機器サプライヤー、ノザーン・テレコム(ノーテル)はその音声サービスをインターネットに乗せる計画で、これに伴いアジアの電気通信市場の様相も一変するものと予想している。
世界の電話会社各社はインターネットを通じた電話サービスの登場で深刻な脅威に晒されているが、今のところ、インターネットを通じたサービスはデータ通信が主流で、音声サービスは限られている。
ノーテル・アジアのバリ・サザーン社長(法人ネット担当)は、こうした潮流に対する回答は、対抗できないなら、それ自身潮流に身を投じることと指摘した。同氏によれば、ノーテルは既にそのデータ/音声通信サービスをインターネット環境の下に移しつつある。同社がベイ・ネットワークスを91億米ドルで買収したのもこうした目標を達成するためで、買収手続きは今四半期中に完了する。同買収手続きの完了後ノーテルのジョン・ロス社長兼CEOはその地位を、ベイのデーブ・ハウスCEOに譲り、退任する。
ノーテルの音声/公衆電話網領域の強みとベイのインターネット/LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)領域の強みが合体され、ノーテルは今後一連のネット製品を市場に投入する。例えば来年第1四半期には、電話のインターネットへのスイッチ・システムが発売される。
ノーテル・アジア・サウス・パシフィックのレジャナルド・バード社長によると、同社のアジア・サウス・パシフィック事業部(日本と中国を除く)には同社の1700人のスタッフにベイの350人が加わることになる。同氏は合併後の人員整理の可能性に関してコメントを控えた。
目下アジア・サウス・パシフィックの売り上げはグループ営業額の15%以下で、アジア経済危機の影響で同比率にさしたる変化は生じない見通しだ。昨年のノーテルの営業額は150億米ドルだったが、ベイ買収後177億米ドルに膨張することになる。(BT:8/31)
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