SEAnews 1998-08-31 ArtNo.16301

【クアラルンプル】マハティール首相は29日、中央銀行のアハマド・モハメド・ドン総裁及びフォン・ウェンパ副総裁の辞職が、首相との通貨政策上の意見の不一致に関係していることを認めたが、政府が資金管制を導入するとの説は否定した。
首相は「マスコミは中央銀行正副総裁の辞職が通貨政策を巡る自分との対立に関係していると報じたが、自分はこうした見方を認める」と述べるとともに、「政府は、未だかつて金利を引き上げ、資金供給を枯渇させることを認めたことはない。今年第2四半期の国内総生産(GDP)は予想以上に悪化しており、中央銀行総裁の辞職は驚くに当たらない。その実彼はもっと早く辞職すべきだった」等と指摘した。
マスコミは、中央銀行正副総裁が資金管制の導入に反対し、辞職したと報じたが、首相は資金管制を導入する可能性を否定した。首相によると西欧式金融制度は多くの国を貧困に陥れたが、それに代わる方式を見出すことができないため、西欧式方式を依然として採用せざるを得ないと言う。
中央銀行総裁代行にZeti Akhtar女史を指名した問題に関しては、法的な体裁を整えるためと述べ、同女史を正式の中央銀行総裁に任命するか否かは決めていないと語った。(LZ,ST:8/30)