1998-08-31 ArtNo.16296
◆<星>7月の製造業生産6.2%ダウン
【シンガポール】電子部門の不振に祟られ7月の製造業生産は6.2%の下降を見た。この結果年初7ヶ月の製造業生産の伸びも僅か1%に一層鈍化した。
シンガポールの製造業生産の45%を占める電子部門は1993年に最初に関係統計数字が発表されて以来最悪の月間ベースで12.8%の落ち込みを見、年初7カ月の成長率もマイナス3.3%となった。
7月にはプリント基板(PCB)の生産が米国方面の好需要に支えられ、拡大したものの、PC(パソコン)、ディスク・ドライブ(HDD)、半導体、消費用電子製品、通信機器の生産は軒並み下降した。
石油/石油化学/薬品/特殊化学を含む化学部門は7月には依然10.9%の二桁成長を記録、年初7カ月の成長率は15.2%となった。同部門では、薬品業が月間68.4%の急成長を遂げ、年初7カ月の成長率も38.5%をマークした。石油化学の7月の成長率は4.3%に鈍化したものの、年初7カ月のそれは23.4%に達している。石油精製業はマージン下降から7月には1.9%のマイナス成長を記録したものの、年初7カ月についてはなお8.5%のプラス成長が維持された。
エンジニアリング部門も7月には5%の落ち込みを見たが、年初7カ月には依然として4.4%のプラス成長を保った。エンジニアリング部門傘下各サブ・セクターの7月と年初7カ月の成長率は、精密工学-15.7%/-6%、運輸機器+9.5%/+18.9%、プロセス・エンジニアリング+4.9%/+11.7%となている。
Vickers Ballasのアナリストは、7月には半年乃至1年後の製造業の輸出動向を占う指標とされる中間財の純輸入(総輸入から再輸出を引いた値)が28%の大幅な落ち込みを見ており、向こう2、3ヶ月こうした状況が持続する可能性があると指摘した。(BT,LZ,ST:8/29)
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