1998-08-28 ArtNo.16264
◆<星>日本はインフレ/円軟化政策で国民消費促進を:エコノミスト
【シンガポール】シンガポール戦略情報研究所が26日主催した“アジア・ビジネスの焦点”と題するセミナーの席上、マサチューセッツ工科大学のポール・クラッグマン経済学教授は日本に対して、計画的なインフレと円安政策を導入し、国民消費を促すよう提案した。
それによると今日の日本においては金利引き下げを通じた伝統的な通貨供給拡大策では不十分と見られる。これは投資家の投資以上に国民が貯蓄をするためで、こうした者は譬え利子がゼロでも預金するはずである。
政府支出を拡大し、税を引き下げても恐らく効果は期待できず、減税分はそのまま預金されてしまうものと見られる。これは中央銀行がインフレを抑制してくれるものと信じているからである。したがって今必要なことは、中央銀行がこうした役割の放棄を宣言すること。これによりインフレに対する恐怖から国民は消費を拡大し、日本経済の回復に寄与するはずと言う。
クラッグマン教授は経済危機に直面するアジア諸国に対しては為替取引の規制強化を提案したが、いずれの提案に対しても会議に出席した他のエコノミストから反論を受けた。(ST,BT:8/27)
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