1998-08-26 ArtNo.16236
◆<星>金融機関の9割が今年末までにY2K対策完了:MAS
【シンガポール】世界の金融機関が直面する今世紀最大の問題の1つとされるY2K問題(従来のコンピューターが2000年以降の年号を認識できなくなる問題)も、シンガポールでは金融機関の90%が今年末まで対策を完了するため、不安はないと言う。
シンガポール金融管理局(MAS)のシャンムガラトナム副局長(金融サービス担当DMD)が、24日催された同局年次報告書の発表会の席上語ったところによると、約90%の金融機関がMASが設定した今年末のシステム修復期限に間に合う見通しだ。
Y2K対策が間に合わぬ金融機関には、予想される損失をカバーするための流動性の拡大や、サービスの混乱を最小限にくい止めるための業務制限が指示されるが、こうした金融機関はごくわずかにとどまると言う。
一方、MASの昨年度(1997年4月-1998年3月)利益は、主要証券市場での準備金の運用益と外国為替益により、前年の15億4000万Sドルから50億6000万Sドルに229%の拡大を見た。
今年上期には地元銀行の利益率が顕著な落ち込みを見たが、MASコー・ヨングアン局長(MD)は、米国の格付け機関ムーディーズがシンガポールの銀行を世界第7位、アジア第1位に格付けした事実を指摘、同局は地元銀行の域内エクスポージャーや国内不動産市場に対するエクスポージャーを注意深く見守っており、各金融機関のポジションに不安はないと強調した。(ST,BT,LZ:8/21)
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