SEAnews 1998-08-25 ArtNo.16221

【シンガポール】マッキントッシュ・プラットフォームを用いたパブリッシング・ソフトウェアで知られるQuark Incは、向こう2年間にシンガポールとマレーシアにおける売上倍増を目指すとともに、アジア太平洋地域全域にその市場を拡張する計画だ。
オランダを登録地とし、米国コロラド州デンバーに本部を置くクォークはまた、インドに2000万Ｓドルを投じて研究施設を建設中で、シンガポールにおける研究開発(R&D)活動も強化する計画だ。同社は1年前、企業開発部門を新設し、3年間に企業の創設や新技術に2億米ドルを投じると発表していた。
クォーク・シンガポール・オフィスのSeetoh Kok Choi重役(GM)によると、日本を含むアジア太平洋地域はグループの世界売上の10％を占めるが、向こう2年間に同比率を2倍に拡大する計画だ。同氏は未公開企業クォークの売上を明らかにしなかったが、1996年に同社は1億米ドル以上の税引き利益を計上したと発表しており、アナリストは現在の年商を5億米ドル前後と予想している。
インドのチャンディガルの新Ｒ＆Ｄセンターには今年末までにエンジニア50人が配置され、エンジニアは数年間に1000人に拡大される。同社は目下、デンバー、シカゴ、ドイツのシュトゥットガルト、シンガポールにＲ＆Ｄセンターを有し、シンガポールのＲ＆Ｄチームは2年内に40人に増員される。
クォークのフラグシップ製品QuarkXPressは目下バージョン4.0が発売されており、世界100ヶ国25万企業の100万人以上のユーザーが、新聞、雑誌、カタロッグ等の制作に利用している。マックとウィンドウズに対応した製品は24カ国語で販売され、1セット2300Ｓドル。
同社のハイエンド製品はクライアント・サーバー環境で使用される“クォーク・パブリッシング・システム(QPS)”で、ニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、フォーチュン、タイム、ガーディアン等が使用している。エントリー・レベルのシステムの価格は4万Ｓドル。
来年初にはマック、ウィンドウズ、サン・ソーラリス・プラットフォーム上で使用でき、オラクルＳＱＬデータベースに対応したクライアント・サーバー・マネージメント・システム“クォークＤＭＳ(ﾃﾞｼﾞﾀﾙ･ﾒﾃﾞｨｱ･ｼｽﾃﾑ)”が発売される。
クォークを1981年に創設したTim Gill氏はアップル用ワード・プロセッサーを初めて開発したことで知られる。現在Ｇｉｌｌ氏は会長兼CTOを、Fred Ebrahimi氏が社長兼ＣＥＯを務めている。(BT:8/24)