1998-08-25 ArtNo.16219
◆<星>首相、リセッション持続に準備呼びかけ
【シンガポール】ゴー・チョクトン首相は23日全国に実況中継されたカラン・シアターにおけるナショナルデー集会の席上、直面する域内経済危機は首相就任以来過去8年を通じてシンガポールにとって最も深刻な試練であり、リセッションは2年間持続する恐れもあると述べ、国民に一致団結して危機を乗り切るよう訴えた。
首相は、中央積立基金(CPF)納付率引き下げの可能性も示唆、その際は公共/民間住宅購入ローンの支払いにCPF資金を利用する者には、相応な支援措置を講じると保証した。しかし、知識集約産業を誘致する上から、国民の失業問題が深刻化する中でも、異論の多い外人タレント誘致政策を堅持する方針を確認した。
一方、経済危機の最中に俄に高まった近隣諸国との軋轢に関しては、実務的態度で冷静に処理する考えを表明、経済困難に陥った近隣諸国への支援は二国間の紛糾に関わらず提供すると語った。しかしマレーシアがシンガポールの港湾利用を人為的に阻止するなら、取り分けシンガポールに隣接したジョホール州に進出した企業は、第3国に製造拠点を移転するだろうと警鐘、南アフリカやインド、中国の物資がシンガポールを通じて中継輸出されているのは、その方が経済効率が良いためであり、人為的にこうした流れを阻止しようとすれば、それ自身の経済効率を犠牲にすることになると指摘。水供給、マラヤ鉄道通関施設移転問題等でも一歩も引かぬ姿勢を示した。(ST,BT,LZ:8/24)
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