SEAnews 1998-08-24 ArtNo.16207

【シンガポール】世界最大のデータ・ネットワーク・オペレーター、Equant NVは向こう3～5年間に1億5000万～2億米ドルを投じてアジア太平洋地域のネットワーク・インフラを補強する。
ＥｑｕａｎｔのDuncan Lewis副社長兼ＭＤが最近シンガポールで語ったところによると、同資金は国際ネットワーク及びローカル・ネットワークのキャパシティー拡張に当てられる。アジア太平洋地域は既に同社の営業額の3分の1に貢献しており、主要な課題はより多くのリソースを注入することと、域内における顧客サービス及びマネージメント・システムを補強すること。
アジア太平洋地域のネットワーク・サービスは年率100％の成長を見ており、こうした成長に対応し得る顧客サービス及びマネージメント・システムを構築することが、主要なチャレンジとなっている。
Ｅｑｕａｎｔは世界220ヶ国の2000都市にプレゼンスを築いており、アジア太平洋地域に関しては12ヶ国に1000人以上のスタッフを配置している。
Ｅｑｕａｎｔは、世界の航空会社連盟ＳＩＴＡが発足した1949年当時、同連盟に通信／データ処理サービスを提供するために設けられたが、航空ビジネスと電気通信ビジネスの自由化の波に乗り、ＳＩＴＡは10年前に非航空会社にもそのネットワークを通じたサービスを提供する方針を決めた。
アムステルダム拠点のＥｑｕａｑｎｔは現在、1）ネットワーク、2）システム統合、3）アプリケーションの3領域に関わるサービスと製品を提供している。統合サービスとアプリケーション・サービスは、顧客がそのネットワークにアクセスし、ネットワークを利用することを支援するとともに、関係するアプリケーション・ソフトウェアの開発も引き受ける。
Ｅｑｕａｎｔは53億米ドルのマネージッド・データ・ネットワーク・サービス世界市場の4％のシェアを占めており、同市場は2000年には150億米ドルに拡大する見通しだ。最近の株式公開でＥｑｕａｎｔは向こう3年間に同市場の10％のシェアを獲得するのに必要な資金を手に入れた。ニューヨークとパリ証取に上場された同社株式は1カ月前の2倍に値上がりしている。
世界には目下複数のテレコム同盟が形成されており、それぞれより大きなパイの獲得を目指して鎬を削っている。これらの同盟は、相互のシステムに互換性を持たせること、またこうしたシステムを管理する人員を配置すると言う、2つの挑戦に直面している。
Ｅｑｕａｎｔは現在存在するライバルとの競争以上に、今後登場する競争者に照準を合わせており、マイクロソフトがTeledesicを通じて何をしようとしているかに、最大の関心を寄せている。マイクロソフトがバックアップするTeledesicは288個の通信衛星のネットワークを通じて、2003年を目処に世界各地にインターネット／ボイス／ビデオ・コミュニケーション・サービスを提供することを計画している。(BT:8/22)