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1998-08-22 ArtNo.16195
◆<馬>政府の装置に投資家は懸念:投資顧問
【クアラルンプル】株の買い支え戦略は、投資家に市場参入を躊躇させているマレーシアの抱える問題を一層深刻化させるに過ぎない。
テンプルトン・アセット・マネージメント香港オフィスのマーク・マービアス氏は、最近、マハティール首相が明らかにした株式市場浮揚策に以上の懸念を表明した。
マハティール首相は火曜、政府が市場に介入し、株を買い支える一方、税を引き下げ、銀行が抵当として預かっている株式の売却を禁じる計画を明らかにした。これを受けてクアラルンプル総合株価指数は翌日直ちに8%以上アップ、その翌日も2.2%の上昇を見た。
ロイターの電話インタビューに応じたマービアス氏は、「減税は歓迎されるが、いつまで続くかが問題」とする一方、その他の措置は現在抱える問題を恒久化させるに過ぎないと指摘した。
同氏によると、投資家は投資の安全性が確認された後に初めて市場に復帰する。市場の透明度が増し、少数株主の権利が保護されない限り、市場の自信は回復されない。マレーシアの現実はコネが幅を利かすクロニー・
キャピタリズムであり、それは域内のほとんど全ての国に共通している。
インフラ事業会社レノンの33%の権益を、その財政危機を救うため、子会社のユナイテッド・エンジニアーズ・マレーシア(UEM)が少数株主の利益を犠牲にして買収、クアラルンプル証券市場の株価を暴落させたのは、記憶に新しいが、1度こうした打撃を被った小口投資家や外国投資家は、市場復帰に益々慎重になっている。
テンプルトンのマレーシア証券市場に対するエクスポージャーは1年前にはグローバル・ポートフォリオの3.5%を占めたが、今では2%に縮小している。テンプルトンは今では際だった優良銘柄でない限り、KLSE銘柄に投資する意欲を失っている。しかしこうした優良銘柄にしてもいつナショナル・サービスの召集を受けるかもしれず、懸念を一掃することはできない。現状でKL市場の株価が上昇するなら、テンプルトンは完全に同市場から撤退する他ない。何故ならマレーシアには期待するような変化はまだ生じていないからと言う。
マービアス氏は香港と台湾の株価引き上げの試みに対しても、アジア市場全てに対する信頼を喪失させる動きと非難した。(BT,ST:8/21)
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