1998-08-22 ArtNo.16189
◆<星>7月の国産非石油製品輸出2.3%ダウン
【シンガポール】シンガポールの輸出志向型製造業の健康を占うバロメーターとされる国産非石油製品輸出は6月の6.1%の伸びから7月には一転して2.3%の下降を見、75億9000万Sドルにとどまった。
貿易開発局(TDB)のバリー・デスカー局長(CEO)によると、シンガポールの輸出動向は明らかに下降線を辿っており、6月の上昇は一時的なものに過ぎない。しかし、より深刻な問題は製造業の短期的先行きを占う指標とされる非石油製品輸入が16.7%下降したこと。日本や香港の需要減退を反映し、非石油製品の再輸出の伸びも2.8%に鈍化した
シンガポールの非石油製品輸出の3分の2、製造業生産の45%を占める電子製品輸出は5%ダウン、プリンターは38.2%、パーソナル・コンピューターは28.1%、それぞれ下降した。ディスク・ドライブと集積海路(IC)の輸出の伸びも2.1%と2.2%に鈍化した。
総輸出は1.6%減の157億Sドル、総輸入は16%減の147億Sドル、往復貿易は9.1%減の304億Sドルだった。
スタンダード・インベストメント証券シンガポール・オフィスのアナリストによると、実際の貿易動向は公式数字よりも、一層深刻で、米ドル・ベースで見ると、7月の国産非石油製品輸出は16.8%下降、6月の10.7%の落ち込みを上回っている。大部分の電子製品は米ドル建てで輸出されているため、米ドル・ベースの数字の方が貿易動向をより正確に反映していると言う。同アナリストは今年通年の国内総生産(GDP)成長率が0.3%のマイナス成長を見ると予想、来年はさらに3.5%の落ち込みを予測している。
スタンダード&プーアのアナリストはリセッションが来年第1四半期まで持続すると見、今年第3四半期のGDP成長率はマイナス3.5%、今年通年の成長率はプラス0.5%にとどまると予想した。(ST,BT,LZ:8/21)
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