1998-08-04 ArtNo.15970
◆<馬>国内港使用強制は外国企業の補給網阻害も:ロイズ
【クアラルンプル】マレーシア当局は荷主に国内港湾の使用を義務づけることにより、現在シンガポールを中継している300億米ドルの外国貿易の奪還を目指しているが、もし計画が実行されれば、マレーシアを拠点とする外国企業のグローバルなロジスティクス・ネットワークに混乱が生じる恐れがある。
英国ロイズ・リストのクアラルンプル駐在員G.Duraira記者が7月31日発表したレポートによれば、マレーシアはいわゆるマレーシア貨物がシンガポールに送られている数量は把握しているようだが、貨物の実際のオーナーが誰か、貨物がシンガポールに送付される理由は何かについては、深く分析していない。これらの貨物にはシンガポールとマレーシアの直接貿易品も含まれている可能性が有る。
マレーシアから輸出される製造業製品の80%はマレーシアを拠点とする外国企業の所有に帰しており、このことが、いわゆるマレーシア貨物の国内港使用政策に対する異論を生じさせている。
マレーシアはシンガポールにとって米国、日本に次ぐ主要な貿易相手国だが、マレーシアは最近港湾問題で不断にシンガポールを攻撃している。マレーシア政府は今年10月に新年度予算案を国会に上程する際、いわゆる国産貨物のシンガポールを介した中継貿易対策を発表する方針だ。
マレーシア政府が国内港湾の利用を強制すれば、外国企業の流通網、サプライ・チェーンに影響が生じる。これらの企業は港湾、商船の航海日程、運送会社等の条件を配慮して、世界的なネットワークを構築しており、製造拠点を設けた国の利害とは無関係と言う。(LZ:8/3)
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