1998-08-03 ArtNo.15950
◆<星・馬>マラヤ鉄道乗客出入国手続きの混乱からくも回避
【シンガポール】マラヤ鉄道(KTM Bhd)タンジョン・パガル駅通関施設の移転を巡るシンガポールとマレーシアの交渉が決裂、タンジョン・パガル駅にとどまったマレーシア側通関施設とウッドランズに移転されたシンガポール側の通関施設における鉄道乗客の出入国手続きの混乱が予想されたが、マレーシア側がタンジョン・パガルにおける入国許可のスタンピングと入国カード処理手続きを見合わせ、旅行者のパスポートのデータと処理日時をコンピューターにインプットするに留めたことから、混乱は回避された。
マレーシア側係官は旅行者にマレーシア国内の如何なる駅で下車しても入国手続きを改めて行う必要はないと説明した。旅行者の中には、入国許可証明が得られぬことから、マレーシア国内やマレーシアを出国する際に密入国の嫌疑を受けないかと不安を訴える者も有ったが、係官は鉄道の乗車券さえ示せば問題はないと説明した。
マレーシア移民局スポークスマンによると、当面向こう3カ月にわたり、暫定措置が採られると言う。しかしこの日KTMを利用してマレーシアに赴き、帰国した旅行者の状況を見ると、出国のスタンプがパスポートに押されている者といない者が有り、マレーシアの各通関事務所に応急措置に関する指示が行き渡っていないことを窺わせた。
この日アフリカ諸国訪問を終え帰国したマレーシアのマハティール首相は空港で記者会見し、問題を引き起こしたのはシンガポールであり、両国関係が悪化するなら、その責任はシンガポール側にあると語った。首相はさらに「シンガポールと事を構えることを欲しない」、「経済問題に直面しているこの時期に何故シンガポールがこの種の問題を持ち出したのか理解に苦しむ」、「あるいはシンガポールの戦略かも知れない。如何に対応すべきか、少し時間をかけて考えたい」等とコメントした。(ST,LZ,STAR:8/2)
|