1998-08-03 ArtNo.15949
◆<星>企業のマレーシア脱出支援、WTOに提訴も:通産相
【シンガポール】シンガポールの港湾の利用を制限されたため、競争力を維持できなくなる企業があれば、シンガポール政府はこうした企業のマレーシアから周辺諸国への移転を支援する用意がある。
リー・ヨクスアン通産相が先週金曜(7/31)の国会で語ったところによれば、こうした企業はインドネシアのバタム島やビンタン島あるいはタイに移転することができる。ビジネスはオープン・マーケットで初めて最大の効率を実現でき、いずれの港湾を使用するかは、企業自身が商業的ニーズと配慮に基づいて決定すべきである。
シンガポールとマレーシアの経済は密接な相互補完関係を成しており、マレーシアを拠点とする企業がシンガポールの港湾を使用するのを規制するなら、相互の貿易/投資に影響を及ぼさざるを得ない。企業がシンガポールの港湾を利用するのは、コスト効率や見返りが最も大きいと判断したからに他ならない。
マレーシア当局が如何なる措置を採るのか現状では明らかでないが、自由貿易の原則に反するような規制がなされるなら、シンガポール政府は世界貿易機構(WTO)に提訴すると言う。
マレーシアのリン・リョンシク運輸相は1日、以上のリー通産相の談話に触れ、「マレーシアが国内の企業にクラン港の使用を求めることが、シンガポールの利益に反することは有っても、WTOの規則に反することはない」と語った。それによると、マレーシアは道義的にも、法律的にも、何ら疚しいことはなく、シンガポールの恫喝を気にする必要はない。国内の港湾を開発し、その使用を奨励するのは、一国の権利に属し、公明正大なことと言う。(BT,LZ:8/1,2)
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