1998-08-01 ArtNo.15931
◆<星>不動産投機抑制措置、依然として後手:副首相
【シンガポール】シンガポールは1996年5月に不動産投機抑制措置を導入、バブル経済に陥るのをからくも回避した。同措置はアジア経済危機が発生する1年以上前だったが、今からすれば依然として十分早かったとは言い難い。
リー・シエンロン副首相は木曜(7/30)当地で催されたスイス拠点の国際ビジネス・スクール、IMDの同窓会で講演、以上の感触を語った。
リー氏によると、経済危機に伴うビジネス環境の変化が予想された範囲内のことか、予想以上のものかに関わらず、企業は勇気をもってこれを受け入れ、積極的に対応する必要がある。とは言え問題発生当初に、その実体を把握できず、動揺するのは理解できる。ラテンアメリカにおける金融危機を体験した某銀行家によると、法人や個人が危機発生後に一変した現実を受け入れるには18カ月から2年を要し、このことが銀行の不良債権処理や、国家経済の復興を遅らせる主因になっている。
アジア経済の回復はかなりの程度、日本と中国の経済動向如何にかかっており、また打撃を受けた国々の経済再建の成否が重要な要因と言う。(ST,BT,LZ:7/31)
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