1998-07-30 ArtNo.15906
◆<馬>中央銀行が今週中に一層の金融緩和措置発表:副首相
【クアラルンプル】アンワル副首相兼蔵相は28日、法定準備金率を一層の引き下げる考えは有るかとの記者の質問に対して、銀行界の流動性を改善するため、中央銀行が今週中に一連の措置を発表すると語った。
同相はまた国際信用格付け機関のスタンダード&プーア及びムーディーが揃ってマレーシアの信用格付けを引き下げた問題に関して、「これらの機関はマレーシア政府が最近導入した一連の措置を十分研究していないようだが、自分はムーディーやS&Pより楽観的見通しを抱いている」と述べるとともに、銀行界の不良債務引き受けの任を委ねられたアセット・マネージメント会社(AMC)の当面の資金需要は、国内ファンドで十分賄えると語った。
アナリストらはこの点に関して銀行の法定準備率が大幅にカットされる可能性を指摘するとともに、これにより銀行の現金準備は拡大するものの、直ちに貸付の伸びにはつながらないと予想した。
一方、大蔵省はこの日、国際市場における20億米ドルの起債計画が延期されたため、資金調達の重点は国内に移されるとの声明を発表した。
またダイム・ザイヌディン総理府相(特別任務担当)の経済顧問を務めるザイナル・アズナン・ユソフ氏によると、被雇用者積立基金(EPF)やカザナ・ナシオナル等の資金が利用できる。同氏は国際各付け機関がこの時期にマレーシアの評価を引き下げたのは、極めて不公平であり、仮に経済復興措置を直ちに実行できないなら、マレーシア経済は一層深刻な挫折を被らざるを得ないと語った。(NST,BT,ST,LZ:7/29)
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