SEAnews 1998-07-30 ArtNo.15904

【シンガポール】アジア太平洋地域の情報技術(IT)サービスはアジアの経済危機に関わらず、2002年まで世界平均の15.6％を遙かに上回る年率24％の成長が見込まれる。
ガートナー・グループ傘下の市場調査会社データクエストによれば、日本を除くアジア太平洋地域のＩＴサービス売上は1997年の159億6000万米ドルから2002年の465億8000万米ドルに拡大する見通しだ。しかしアジア太平洋地域は3010億米ドルの世界ＩＴ市場の5％を占めるに過ぎない。最大のシェアは米国の43％で、欧州の29％、日本の12％、その他の地域の11％と続く。
シンガポールのＩＴサービス市場は同期間に11億2000万米ドルから32億6000万米ドルに拡大、アジア太平洋地域ＩＴサービス市場の7％のシェアを維持する見通しだ。
ＩＴサービスは、1）専門サービス、2）ハードウェア保守サービス、3）ソフトウェア保守サービスの3カテゴリーから成り、それぞれ61％、30％、9％のシェアを占める。そしてこれら3カテゴリーを通じてインターネット／イントラネット関連サービスが中心的要素を成している。
ＩＴサービスは、897億米ドルの世界ＩＴ市場の33.6％を占め、この他、システム／周辺機器が31.6％、電気通信が22％、ソフトウェアが12.8％を占めている。2002年にはＩＴ市場は1兆7000億米ドルに拡大するが、ＩＴサービスはそのシェアを36.8％に拡大、トップの座を維持する見通しだ。以下システム／周辺機器28.9％、電気通信18.2％、ソフトウェア16.1％と続く。
こうした中で来年は、オペレーティング・システム、Ｅメール、グループウェア、データベース領域の技術力を備えたＩＴベンダーが、インターネット市場で雌雄を争うことになる見通しだ。ウェブ・サーバー・ソフトウェア市場は1997年に88％の成長を遂げ2億4600万米ドルをマークしている。
アジア経済危機は、これまでのところアジア太平洋地域のＩＴサービスの8％に影響を及ぼしたに過ぎず、専門サービスに関しては、2002年まで平均16％の成長が予想される。最悪の今年(1998)も全体として11％の成長が見込め、1999年には30％の成長が回復、2002年まで同ペースが維持される。地域的にはインドの成長率が年率43％で最高、以下中国40％、オーストラリア20％、シンガポール／香港／台湾14－15％と続く。(BT:7/29)