SEAnews 1998-07-29 ArtNo.15890

【シンガポール】マルコ・ポーロ・デベロプメント(MPD)は来年、優良開発用地や良好な不動産ポートフォリオを有する企業の買収に5億Ｓドルを投じる計画だ。
ＭＰＤのデービッド・ローレンス重役(MD)が27日明らかにしたところによると、アジア、取り分けシンガポールには向こう2年間良好な不動産投資機会が存在する。同社は最終的に80％をシンガポールに、残りは他のアジア諸国投資する。目下、優良地に位置する1万平方フィート程度の開発用地や2億5000万Ｓドル以上の開発プロジェクトの対象を物色している。
アドモア・パークのような10億Ｓドル台のプロジェクトが、マーケットを特定し易く望ましいが、これほどの規模を備えた永久所有権付き優良地を見出すのは極めて難しい。優良不動産ポートフォリオを備えた企業の買収も選択肢の1つで、同社はスコッツ・ホールディングズに注目したが、スコッツは今ひとつ同社の目的にフィットせず、またタイミングが未だ熟していないことから、スコッツの買収は見合わせたと言う。
一方、タングリン・ロードのマルコ・ポーロ・ホテルをコンドミニアムに再開発する計画は来年末まで繰り延べられる。同ホテルは今年末までに取り壊されるはずだったが、不動産市況が回復に転じると見られる来年末まで延期された。これに伴い600室中の386室を1999年末まで引き続きホテル客室として経営する。しかし現在就業している280人のホテル従業員には予定通り今年9月30日に解雇補償を支払い、その上で、来年末まで就業する者を募る計画だ。
ホテル跡地に開発される150～170室のコンドミニアム“グランジ・レジデンス”は2000年のチャイニーズ・ニュー・イヤー後に売出され、床面積2500平方フィート、4ベッド・ルームのユニットの平方フィート当たり価格は1800Ｓドルになる予定だ。
この他、MPDはマルコ・ポーロ・ブランドで管理を引き受ける良質なホテルを物色しているが、現在のマルコ・ポーロに代わる新たなホテルを買収する訳ではないと言う。(ST,BT,LZ:7/28)