SEAnews 1998-07-27 ArtNo.15861

【クアラルンプル】ブリティッシュ・テレコミュニケーション(BT)は24日、マレーシア第2のセル式電話会社ビナリアンBhdの33.3％の権益を18億Ｍドルで買収する契約に調印した。
ビナリアンは衛星通信会社ビナリアン・サテライト・システムズを100％地元資本企業として分封後、残る、セル式電話、国際ゲートウェイ、固定式電話業務を営む母体の増資後の株式資本の33.3％に相当する新株5000万株をＢＴに対して発行する。
これによりマハティール首相とも親密な著名なビジネスマン、Ｔ.アナンダ・クリシュナン氏の個人会社ウサハ・トゥガスのビナリアン持ち分は76％から49.1％に縮小する。これによりメディアワン・インターナショナル(前社名USｳｪｽﾄ)のビナリアン持ち分も19％から12.6％に下降するが、マレーシアの国策投資会社プルモダラン・ナシオナルBhd(PNB)の持ち分は5％のレベルに維持される。ビナリアンへの外資の出資率は合計45.9％になった。
マレーシア政府は去る5月テレコム企業への外資の出資率上限を49％から61％に引き上げる方針を発表したが、5年後に外資の持ち分は全体で49％のレベルまで引き下げねばならないとの条件を付けていた。今回の取引では外資出資率は49％に達せぬため、外資系株主が5年後に持ち分の一部を処分する必要はない。
ビナリアンは向こう5年間に35億～40億Ｍドルをテレコム・インフラに投資する計画で、ＢＴから得る18億Ｍドルも同投資の一部に当てる見通しだ。ビナリアンは別途20億Ｍドルの資金をエクイティー・ファナンスと長期借入により調達する計画で、目下最終段階の交渉を進めているとされる。(NST,MBT,STAR,ST,BT,LZ:7/25)