1998-07-27 ArtNo.15857
◆<星>DBSバンク、S$16億でPOSBank買収
【シンガポール】シンガポール政府は市場のニーズの変化に対応し、郵便貯金銀行(POSBank)を民営化、政府系DBSバンクと合併させる方針を決めた。同計画がDBSバンクの株主総会と国会の承認を得れば、今年第4四半期には、総資産934億Sドル、株主基金94億Sドルの東南アジア最大、世界的にも65位の銀行が誕生することになる。
リチャード・フー蔵相が24日発表したところによれば、国際金融市場の開放に伴い規模の大きさが市場やビジネス機会を掌握する上で益々重要になっている。銀行が規模を拡大する早道は合併であり、シンガポールの地場銀行は最終的に3行ほどに統合されるのが望ましい。目下存在する5グループは若干多過ぎるが、政府は合併を強制する考えはない。
POSBank創設当初の目的は国民に対する貯蓄奨励と国家建設のための国内の貯蓄の動員だったが、シンガポールが先進国のレベルに近づくにつれ、こうした意義は薄れ、かわって高品質なサービス提供と商業銀行としての競争力強化の必要が高まっている。しかしながら新しい金融商品やサービスを開発するのには時間がかかり、最も簡便な方式は他行と合併することである。合併の相手にDBSバンクを選んだのは、シンガポール政府がMNDホールディングズやタマセクを通じて同行の約40%の権益を握っているため。
POSBankの純有形資産は11億6400万Sドルで、今回の買収価格はこれに比較すれば37%のプレミアム付きといえる。しかし銀行法の下、銀行の所有資産は制限されているため約6億Sドルの資産は政府に返還される。これらには建設中のPOSBank本部ビルが含まれる。POSBankは合併された後もその行名やロゴを維持するが、6年後には預金利子に対する免税待遇は廃止され、住宅融資の金利にも調整が加えられると言う。(ST,BT,LZ:7/25)
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