1998-07-22 ArtNo.15796
◆<星>6月の国産非石油製品輸出6.1%アップ
【シンガポール】シンガポールの輸出志向型製造業の健康のバロメーターとされる国産非石油製品輸出は6月、予想外の6.1%のプラス成長を達成、アナリストらを驚かせた。
国産非石油製品輸出は5月には4.8%の落ち込みを見ており、アナリストらは、6月も4~7%のマイナス成長を予想していた。しかし貿易開発局(TDB)は月間統計は不安定で楽観的見通しを抱くことはできないと警鐘するとともに、今年通年の貿易総額は5.5%の落ち込みを見るとの見通しを示した。
それによると第2四半期(4-6月)を通じた国産非石油製品輸出は0.2%のマイナス成長を記録、往復貿易総額は7.7%の一層大幅な落ち込みを見た。往復貿易は第1四半期には4.2%のプラス成長を見ており、貿易環境の急速な悪化が窺える。上半期を通じた往復貿易も昨年比2%下降した。TDBは6カ月前には、今年通年の往復貿易の伸びは昨年の5.7%から3.5~5.5%に鈍化すると予想していたが、今回は4.5~5.5%のマイナス成長を予想した。TDBの成長予測は過去半年間に10%ポイント以上も下方修正されたことになる。
こうした悲観的見通しの根拠としてTDBは以下の諸点を掲げている。1)予想されるマレーシア、日本、香港、韓国における消費財、資本財需要の一層の下降。2)米国、英国、ドイツの予想される下半期の成長鈍化。3)ディスク・ドライブや集積回路(IC)等の電子製品の世界的な過剰供給。4)シンガポール拠点の多国籍企業の操業率の低下。5)3月以来の中間財輸入の減少。このことは製造業活動が下半期に失速することを暗示している。6)下半期の石油貿易の予想される軟調。
TDBはこうした不振な貿易動向は来年まで持続すると予想する一方、域内市場の不安定さから、先行きを見通すのは困難と補足している。(ST,BT,LZ:7/21)
|
|