1998-07-20 ArtNo.15766
◆<星>首相、予算外景気浮揚策批判に反撃
【シンガポール】ゴー・チョクトン首相は17日、政府の予算外景気浮揚策に対する業界、取り分け不動産開発業者の批判に厳しい反撃を加えた。
この日、DBSバンクの創業30周年晩餐会でスピーチした首相は、「政府の経済危機対策に対する業界の根拠のない批判は、一般大衆を混乱させ、業界の危機乗り切りのために準備された政府の措置に対する信頼を動揺させるだけであり、自分自身を鞭打つに等しい」と指摘した。
数日前に催された政府のフィードバック・フォーラムの席上、ビジネスマンらは予算外措置に口々に不満を述べ、シンガポール商工会議所連盟(SFCCI)のクェック・レンジュー会頭も、予算外措置に伴う経済刺激効果は期待できず、流動性不足に悩む業界の助けにもならないとコメントしていた。
首相は、「政府の措置は業界の苦痛軽減を目指したもので、外需の落ち込みに伴う問題そのものの解決を図るものではない。誰にしろ具体的対策を提案するものが有れば、政府は検討する用意がある」と語った。
首相は、取り分け不動産開発業者の批判に反駁を加え、「長期にわたる好況を享受してきた不動産業界は、不動産価格が支持不可能なレベルまで上昇したなら、現実的レベルに下降するのを受け入れるべきである。政府が市場動向に反して価格を支えても、最後の審判の日を多少遅らせるに過ぎない」と指摘した。
SFCCIのクェック会頭は、政府系企業(GLC)が不動産市場の過剰供給を吸収するよう提案したが、首相は、「もしGLCがそのような役割を演じるとすれば、完全に商業ベースで、市価に基づいて買い上げを行うだけである。市場価格を上回る価格で過剰供給の吸収を求める者は、政府に尻拭いを求めるに等しく、シンガポール政府は直接的にしろ、間接的にしろそのような役割は務めない」と強調した。
首相の以上の発言に対して、デベロッパーらはこの日直ちにコメントすることを控えたが、グルテクのゲリー・ロドリゲス氏は「一部の者はシャドーを追い求めているが、首相の発言はプラグマチックなもの」と語った。(BT,ST,LZ:7/18)
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